特集:タイ事業立上げフェーズのお客様インタビュー『タイ事業立上げの現場とテクノパークの役割』

現在タイ事業の立ち上げ中であるShowa Industries (Thailand) Co., Ltd. の社長:野口雅数様にお話を伺いました。(2018年9月25日)

野口様・六鹿
(左) Showa Industries (Thailand) Co., Ltd.社長:野口雅数様
(右) TT Techno-Park 六鹿

六鹿:
本日は、インタビューにご参加頂きまして、まことにありがとうございます。

野口:
よろしくお願いします。

六鹿:
まずは、御社の事業の内容をあらためてご紹介していただけますでしょうか。

野口:
当社の事業は、音響スピーカー用の基布エッジ等の生産販売が主力で、また研磨布およびタイヤ等の補強材を加工しています。顧客は音響メーカー等が中心です。弊社のコア技術は繊維(基布)へのコーティング加工技術で、コーティング加工を行った生地は、スピーカーエッジの基布のほか産業界で幅広く活用されています。本社は埼玉県草加市で、関連会社は中国広東省東莞と香港にあります。
(昭和工業(株)様Webサイト:http://www.showa-kogyo.co.jp/

野口様
Showa Industries (Thailand) Co., Ltd.社長:野口雅数様

六鹿:
東南アジアへの進出、及び豊田通商のテクノパーク事業をお知りになったのは、どのようなきっかけでしょうか。

野口:
さきほどのお話どおり、既に中国に進出しており、音響スピーカー用の基布を生産しておりますが、当社のメインのお客様である音響機器メーカーの拠点が、いわゆる「チャイナプラスワン」のリスク回避の動きとして、中国から他の東南アジア諸国への生産拠点の移転を開始しており(インドネシア、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、タイなど)、当社としてもこのグローバルな環境変化に対応するかたちで、東南アジアへの進出を検討しておりました。

私自らがミャンマーやベトナムなどの東南アジア諸国を回り市場調査していたのですが、中国子会社の総経理が体調を崩した為に、私が中国子会社の管理に戻らざるをえなくなっていました。そうした状況の中、2017年2月に東京で行われたJETRO主催のセミナー「アジア日系企業工業団地説明会」に参加したところ、そこでブースを出展していた豊田通商テクノパーク事業室の方とお話をしたのがきっかけですね。その後、タイにおける面談(TT Techno-Park社・および豊田通商グループ)をセッティング頂きました。

六鹿:
チャイナプラスワンの進出先をタイに決められた経緯を聞かせてください。

野口:
私自ら東南アジア諸国を見て回り、分析をすすめ、タイが最も事業のリアリティがあると判断しました。最も重要なポイントの一つは、地理的な条件です。タイは、ミャンマーやベトナムを含めた東南アジアの中心に位置しています。各種インフラが整備されており、東部経済回廊(EEC)に関するタイ政府の経済政策も追い風ですね。

六鹿:
工業団地をA社に決めた理由を聞かせてください。

六鹿
TT Techno-Park 六鹿

野口:
大手の工業団地運営会社2社で検討しました。ガス管の配管の状況(ガス会社との共同開発)や、区画のサイズの適切さなど当社の生産工程に直接影響する諸条件と予算を総合的に分析して決めました。

六鹿:
工場建設のゼネコンをB社に決めた理由を聞かせてください。

野口:
3社のゼネコンで比較検討しておりましたが、途中でうち2社に絞りました。最終的には、日本でのメインバンクとの取引実績や、当社のメイン顧客の工場建設の実績があることなど、諸条件を総合的に勘案して、B社に決めました。

工場外観
(工場建設は順調に進んでいます。2018年9月末の工事進捗率は約80%です。)

工場内観
(工場内部の工事の状況です。)

六鹿:
総務・経理のアウトソーシング先として、弊社(TT Techno-Park)を選んで頂いた理由を聞かせてください。

野口:
当社はコンパクトな間接部門を志向する一方で、タイでは「会計記録担当者(※)」の設置が法律上求められていることを知りました。よって経理・総務のアウトソーシングはタイ進出における重要な要素であり、実際はバンコクの会計事務所との比較で決めました。事業立上げのフェーズは、登記手続きや総務・経理などの作業をお願いするにしても、見積もり書だけでは、機動性や柔軟性を確認することは難しいです。こちらはタイの土地勘が無く、事業立上げどころか些細なことがわかりませんので、頼れるパートナーであるか実際にお話をして確認しました。
また、御社はWHAイースタンシーボード工業団地に本社がありますが、このように東部地域にオフィスがあることが、弊社のタイ事業立上げの支援をお願いするにあたってきわめて重要です。実際立上げ作業を始めてみて、バンコク本社のみの業者では、東部地域での事業立上げをきめ細かくサポート頂くことは現実的には難しいと思います。

(※タイ国2000年会計法によって、タイの会社では、「会計記録責任者(会社の会計について責任を負うサイン権者)」のほか、「会計記録担当者(実務上は「CPD」という資格名)」を必ず設置する必要があります。CPDについては、BOI認可企業の場合は、4年制大学以上の会計学科修了等の条件が課されます。)

六鹿:
TT Techno-Parkが重視する点を評価頂いて、ありがとうございます。
会計事務所や弊社のようなアウトソーシングサービスの会社では、クライアントの期待を超えれば感謝されますが、少しでも期待以下であれば不信感が増します。その少しの差を生むのは、提供する価値を継続的に高め頼れるパートナーとして期待を超えるという誠実さ(Integrity)であり、また豊田通商テクノパーク事業のような組織力であると考えています。

野口:
今後タイ人の従業員の採用を開始します。タイ人とのコミュニケーションがうまくいく秘訣は、何でしょう?

六鹿:
弊社お客様の他の経営者の方々も、最も苦労されているのは労務管理ですね。
ご存知の通り、タイと日本では、個人も社会もいろいろと違いがあります。相互理解のためには、タイ人の言動が理解しづらいときでも一呼吸置くことが大切と思います。なお、当社お客様の代表者の方に定期的にお集まり頂き、市場動向等を共有しておりますが、その場では労務管理をはじめ日頃のお悩み等の意見交換の場となっていますので、ぜひご活用ください。

六鹿:
今後の予定を聞かせてください。

野口:
工場建屋の建設は順調にすすんでいます。今後、今年中にメインの製造機械の搬入を実施し、その後従業員を雇用し、教育をすすめます。来年に操業開始する予定です。

六鹿:
これからいよいよ、操業開始の準備が本格化しますね。タイ事業の今後の発展を心より祈念します。今後もサポートを継続させていただきます。
本日はまことにありがとうございました。

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